シネマッドカフェ

2014年8月の過去の記事

R・ウィリアムズさんとL・バコールさんの死を悼んで

8月12日(火)、休み明けという事もあって、お店の仕込みに追われていた朝、「R・ウイリアムズさんが亡くなられ、おたくのお店では何か追悼のイベントか何か行う予定はありますか?」とロイタージャパンの方から電話がありました。まさかのところからまさかの人の訃報を聞き、返答に困りましたが、今までも特に著名な方が亡くなられても催しなどは行ってないことを告げ話は終えました。オープンの準備をしながら私の頭の中ではR・ウイリアムズさんの純真な子供のような笑顔が甦りました。R・ウイリアムズさんが主演した多くの映画で人を包み込むような優しい眼差しで、深みのある演技を私たちに見せてくれました。それは古くはC・チャップリン、あるいはJ・レモンという名優に勝るとも劣らないその演技は、ペーソスを表現することが出来るR・ウイリアムズさんはそれだけすごい役者だったのです。彼の死は悲しいです。

'80に28歳で映画「ポパイ」(ロバート・アルトマン監督)でデビュー。それ以前はすでに全米でも選り抜きのコメディアンとしての芸歴をもっていたと聞きます。主演作は「グッドモーニング、ベトナム」('86)、「ガープの世界」('88)、「グッド・ウィル・ハンティング」('98)、この作品でアカデミー助演男優賞を受賞。素晴らしい演技でした。62歳の死は本当に残念です。心からご冥福をお祈りいたします。

もうおひとかたの訃報を8月13日(水)の新聞で知りました。アメリカの女優L・バコールさんです。H・ボガート氏と共演した「脱出」('44)がデビュー作。25歳も年上のH・ボガートさんと結婚。ハリウッドきってのオシドリぶりは、ゲーブルとロンバート、オリビエとリーと並び伝説となっている。L・バコールさんの愛称はザ・ルック(まなざし)。彼女の自伝「ローレン バコール私一人」(山田宏一訳、文芸春秋刊)でザ・ルックのいきさつを彼女自身が語っている。

1944年製作「脱出」(H・ホークス監督、アーネスト・ヘミングウェイ原作)の撮影現場での事。

「その日がきた。わたしはいまにも気が狂いそうだった。・・・・わたしがボガートの部屋のところまで歩いて来て、「誰かマッチある?」と言ってドアに寄りかかると、ボガートがマッチの小箱を投げてよこす。わたしはたばこの火をつけ、彼を見ながら「ありがとう」と言い、マッチを投げ返して、立ち去るのである。そこでまず、そのシーンのテストをした。わたしの手は震えていた・・・・・わたしは、首の震えを防ぐ方法は顎をほとんど胸に付くくらいに引いて、顔を下げたまま、目だけをボガートに向け、上目づかいで見上げるようにすることだということに気づいた。これがうまくいった。のちにわたしに付けられた"まなざし"(ザ・ルック)という呼び名のもとになった、これがそもそもの始まりだった。」

役者さんの個性は様々。このシーンを見るだけでも価値があります。私もまた映画「脱出」を見たくなりました。2009年にL・バコールさんはアカデミー賞名誉賞を受賞。長年の功績が認められた彼女は89歳で逝きました。心よりご冥福をお祈りいたします。

銀幕のスターが一人また一人と逝ってしまう事はとても悲しい事ですが、映画は生き続けます。映画を通じていつでもまた再会できる、だから映画は素晴らしいのです。

シネマッドカフェで美味しいコーヒーを飲みながら、映画を熱く語りませんか。皆様のご来店をお待ち致しております。

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